恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
今教えてもらってるのはほんとの基本だ。
多い時で週3回、1時間だけ。

教えてもらうっていうより、後ろで見ながらひたすらメモして、最後に5分だけ質問させてもらえる。
そんな感じ。

けれど楽しくって…仕方ない。

高校出てからでないと、器具は触らせないって言われてる。

冬休みになったら、バイトもさせてもらえることになってる。
けど、それはお店の接客だって瀬田さんは言ってる。
ほんときびしい。

「瀬田さん。この泡だて具合について質問なんですけど…」

「あの、家で作ってきたんですけど…どんなもんか…みていただけないでしょうか。」

そんなことが楽しいなんて…
けど…どうしてもあの味にたどり着きたい…。

そう思うのは…わたしの意地だろうか?

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