恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!


次の日から、俺はちょっとずつ美紗都を避けるようにした。

今までよく一緒にいた者同士が突然離れると噂が噂を呼ぶ。

「おいおい。碧斗。あれじゃあ、仲上さんかわいそうだろ?」

学校で素を見せるようになった将輝が、今日も女たちに愛想を振りまきつつ、俺を嗜める。

「いや、でも…あれは…ないわ。」

杏のことをバカと言い放った女とずっと一緒にいるわけにはいかない。

コイツも罪な奴だと思う。

たぶんこういうのが嫌で、ナミはずっとグダグダ言ってたんだろう。
だから、瓶底メガネかけたんだろうけど、それはそれで嫌だったらしい。
カレシがダサいのは嫌らしい。

女ってよくわからねー。

ま、でも、今は堂々とナミが彼女だって公言してるし、女に告られてもナミがいるから無理ってちゃんとはねつけるようになったから…ナミは満足してるみたいだ。

「気のないもん、期待させたって仕方ねーだろ?」

「まあな。お前は俺とは違うよな。」

「は?」

「いや、浮気って一切ないのな。」

「ねーわ。んなもん…杏一筋だっての。」

「見習わねーとな。」

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