恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
碧斗が連れてきたのは、駅前のショッピングモールの屋上…。

夜景が綺麗なので夜になるとカップルだらけになるらしいって聞いてたけど…今はまばらにチラホラ人がいるだけ…

向こうのほうの一角に少しだけある子ども用の遊び場では、小さな子どもたちの声が響いていた。

碧斗は近くにあった自販機でペットボトルを2本買ってわたしに1本渡すと、そこにあったベンチに座ろうと促した。

「まあ。飲めよ。」

「うん。ありがとう。」

碧斗がゴクって一口飲んだ。

わたしは今からなにを言われるのかと思うととても口をつける気になれず…ビクビクしながら座っていた。

「俺さぁ…」

あー…ついに言われるんだ。
仲上さんと…

ペットボトルを握る手に力が入ってしまう。

「杏のこと…ずっと…」

え?わたしのこと?仲上さんじゃなくて?

驚いて碧斗を見たけど、碧斗は正面を向いたまま続けた。

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