番外編 冷徹皇太子の愛され妃
「……いつか、ルイーズのいる修道院の近くに行ってみたい……。会えなくてもいいから、ひと目、元気な姿を遠くからで見たいんだけど……」
「ああ、もちろんだ」
ウォルフレッドはそっとフィラーナの肩を抱いた。
しばらくすると、フィラーナは暗い気分を払拭、パンパン、と軽く自分の頬を叩いた。
「よし、明日は騎士団の訓練場に行ってみようかしら」
フィラーナの気分転換のひとつが、宮廷騎士団の面々に軽く手合わせしてもらうことである。
「行ってもいいかしら?」
さすがに突然騎士団の練習場に押し掛けるなどという行いはしない。その前には必ずウォルフレッドの許可を取るようにしているのだが。
いつもなら許可してくれるウォルフレッドがなぜか今、返事を渋っている。フィラーナは首を傾げていると、ウォルフレッドはようやく口を開いた。
「……フィラーナ、もう訓練場には行くな」
「えっ……?」
フィラーナは驚いて目を見開いた。
そのまま沈黙が流れる。
「……そ、そう……」
フィラーナは声を絞り出すと、少し寂しげに微笑んだ。
「ごめんなさい、私がいたら迷惑よね。それなのに、皆さんの好意に甘えてしまっていて、気づかなかったなんて」
「ああ、もちろんだ」
ウォルフレッドはそっとフィラーナの肩を抱いた。
しばらくすると、フィラーナは暗い気分を払拭、パンパン、と軽く自分の頬を叩いた。
「よし、明日は騎士団の訓練場に行ってみようかしら」
フィラーナの気分転換のひとつが、宮廷騎士団の面々に軽く手合わせしてもらうことである。
「行ってもいいかしら?」
さすがに突然騎士団の練習場に押し掛けるなどという行いはしない。その前には必ずウォルフレッドの許可を取るようにしているのだが。
いつもなら許可してくれるウォルフレッドがなぜか今、返事を渋っている。フィラーナは首を傾げていると、ウォルフレッドはようやく口を開いた。
「……フィラーナ、もう訓練場には行くな」
「えっ……?」
フィラーナは驚いて目を見開いた。
そのまま沈黙が流れる。
「……そ、そう……」
フィラーナは声を絞り出すと、少し寂しげに微笑んだ。
「ごめんなさい、私がいたら迷惑よね。それなのに、皆さんの好意に甘えてしまっていて、気づかなかったなんて」