君色に染まる
☆
「楽しそうだな、翔太」
センセに渡された資料を見ていたら、遅れてやって来た副会長の亮介がパックジュースのストローを咥えたまま言ってきた。
だが、今の俺はそんな態度も気にならない。
鼻歌でも歌いたい気分だった。
「んー?わかるかー?」
「そんだけニヤけてりゃ誰でもわかるっての」
パックの中身が空になった音が部屋に響く。
亮介はそれを机に置きながら、俺の目の前に座った。
「何があった?」
「ヒミツー」
親友の亮介でも、言えないことだってある。
というか、言えるわけがない。
神田里歩が好きだなんて。
正直、言いふらしたい。
普通のカップルみたいに、彼女に引っ付きたい。
でも、相手はあの真面目で一生懸命で、不器用なセンセだ。
俺がそんなことを言ってしまえば、センセを困らせてしまう。
そんな顔が見たいわけじゃない。
「あ、わかった。ハロウィンパーティーが楽しみで仕方ないんだろ。お前、会長になったら絶対にやるって言ってたもんな」
……そういうことでいいや。
間違ってないし。
「でもさあ。なんでハロウィンを学校で?すぐあとに文化祭もあるんだし、そこで仮装すればよくね?」
センセに渡された資料を見ていたら、遅れてやって来た副会長の亮介がパックジュースのストローを咥えたまま言ってきた。
だが、今の俺はそんな態度も気にならない。
鼻歌でも歌いたい気分だった。
「んー?わかるかー?」
「そんだけニヤけてりゃ誰でもわかるっての」
パックの中身が空になった音が部屋に響く。
亮介はそれを机に置きながら、俺の目の前に座った。
「何があった?」
「ヒミツー」
親友の亮介でも、言えないことだってある。
というか、言えるわけがない。
神田里歩が好きだなんて。
正直、言いふらしたい。
普通のカップルみたいに、彼女に引っ付きたい。
でも、相手はあの真面目で一生懸命で、不器用なセンセだ。
俺がそんなことを言ってしまえば、センセを困らせてしまう。
そんな顔が見たいわけじゃない。
「あ、わかった。ハロウィンパーティーが楽しみで仕方ないんだろ。お前、会長になったら絶対にやるって言ってたもんな」
……そういうことでいいや。
間違ってないし。
「でもさあ。なんでハロウィンを学校で?すぐあとに文化祭もあるんだし、そこで仮装すればよくね?」