片恋の魔女は死ねない
 帰ってくると、ぼふんっ、と私は制服のままベットにダイブし、ため息を落とす。

 今日––––––というか放課後––––––あった色々な“変なこと”だが、帰ってくる途中で、不思議なことに私の中で整理がついていたのだ。整理がついた、というよりは思い出した、という方が正しい気がする。



 私は鏡を掲げ、藤色になった瞳を見る。
 吸い込まれそうな、幻想的な藤色。



 ––––––魔女特有の、藤色の瞳。




 そう、私は魔女なのだ。隠していたとか、実は知っていたとかではない。
 さっき恋に落ちた瞬間、私は自分が魔女だということを自覚した。
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