彼女との距離感
上京
彼女に「好きだ」と言われた時。

あまりにも、驚いた。

でも、すぐに「無理だ。付き合えない」と思った。

次に思ったのは、心から申し訳ないという気持ちだった。

全然、彼女の気持ちに気づかなかった。

謝っても、謝りきれないって思った。

彼女の家を出て。家に帰って泣いた。

お風呂に入って。お風呂から上がって、また泣いた。

この虚しさは何なのだろうか。

人を傷つけるってこんなに痛いのか・・・。

だからと言って、同情で彼女と付き合うことなんて出来ないんだ。

「はぁ・・・」

東京本社に異動になって2週間。

心身共に疲れ果てていた。

今迄、通勤時間は40分だったのに。

いきなり1時間以上になり。

しかも、毎日。行きも帰りも満員電車ときたもんだ。

会社の人達は良い人達ばかりだけど。

慣れない仕事、覚えることが多すぎて疲れる。

メンバーは皆若くて。

恐らく、俺より年下。

やっぱり、物覚えの悪い馬鹿なオジサン程度に見られてるんだろうなぁ…。

「はぁ・・・」

もう一度、ため息をついて。スマホを見ると。

祐太郎から飲みの誘いがあった。

すぐさま返信して、会うことにした。
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