君色に染められて
「市原君、このプリントを掲示しておいてくれる?」
センセに渡されたプリントには、クリスマス会の開催についてと書かれている。
クリスマス会……
「ハロウィンに反対していたセンセが、クリスマス……」
センセはほかのクラス分のプリントで口元を隠した。
「生徒が楽しいと思う行事をした方がいいって、市原君が教えてくれたから」
目が泳いでいるけど、ときどき俺のほうを見てくれるセンセが可愛くて、抱きしめたい衝動に駆られる。
だけど、絶対にそんなことをしてはいけない。
思わずセンセに触れてしまわないよう、両手を背中に隠す。
「よかったら、市原君も参加してね」
センセは柔らかく微笑み、俺から離れていった。
「あれは小悪魔だな」
亮介は俺の右肩に肘を乗せ、センセの背中を見つめながら呟いた。
俺はその肘を落とす。
彼女が小悪魔だなんて、二ヶ月前から知ってる。
俺は無様にも、そんな彼女に振り回されている。
それでもセンセを嫌いになれないのだから、惚れた弱みというかなんというか。
俺は自分に呆れてため息をつき、教室に戻る。
後ろの黒板にセンセから渡されたプリントを磁石で貼る。
センセに渡されたプリントには、クリスマス会の開催についてと書かれている。
クリスマス会……
「ハロウィンに反対していたセンセが、クリスマス……」
センセはほかのクラス分のプリントで口元を隠した。
「生徒が楽しいと思う行事をした方がいいって、市原君が教えてくれたから」
目が泳いでいるけど、ときどき俺のほうを見てくれるセンセが可愛くて、抱きしめたい衝動に駆られる。
だけど、絶対にそんなことをしてはいけない。
思わずセンセに触れてしまわないよう、両手を背中に隠す。
「よかったら、市原君も参加してね」
センセは柔らかく微笑み、俺から離れていった。
「あれは小悪魔だな」
亮介は俺の右肩に肘を乗せ、センセの背中を見つめながら呟いた。
俺はその肘を落とす。
彼女が小悪魔だなんて、二ヶ月前から知ってる。
俺は無様にも、そんな彼女に振り回されている。
それでもセンセを嫌いになれないのだから、惚れた弱みというかなんというか。
俺は自分に呆れてため息をつき、教室に戻る。
後ろの黒板にセンセから渡されたプリントを磁石で貼る。