君色に染められて
「ハロウィンの次はクリスマスか!この学校も楽しくなってきたなあ」


遅れて入ってきた亮介が、プリントを覗き見る。


亮介の声が大きかったせいで、人が集まってくる。


「クリスマス会ってこと?」
「えー?でもまた、神田先生がいろいろ言ってくるんじゃない?」
「それが違うんだなあ」


亮介が得意げに不安をこぼす女子に言う。


「このプリントを配ってるのは、その神田先生だ。邪魔はねーよ」
「センセらしい企画にはなってるけどね」


俺はプリントの前から退き、みんながプリントの内容を読む。


「クリスマス会……まずは勉強!?」
「はあ!?」


まあ、そういう反応になりますよね。


俺も勉強会はないなと思うけど、センセが一生懸命考えた企画なら、参加しない理由はない。


「こりゃ参加者は集まらねーな」


亮介は苦笑しながら、小声で言った。
俺もそう思う。


だけど、参加者が少ないほうが俺的には好都合。
センセとの時間が長くなるし。


「あ、俺は参加するから」
「なんでだよ。勉強嫌いだろ?」


亮介はいたずらっ子のような笑顔をした。


……なるほど。


「邪魔する気か」
「子供扱いされるお前が見たいだけだよ」


……それを邪魔するっていうんだよ、バカ。
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