君色に染められて
◇
終業式が終わって、食堂にクリスマス会に参加する生徒が二十人程度集まった。
料理部が料理を用意するまでの時間つぶしに、勉強会を開催する。
といっても、一時間もやらなかった。
みんな課題が終わったとか、わからなかったところが理解出来たとか、喜んでくれた。
「パーティーなのに勉強とかありえないって思ってたけど、参加してよかった」
「神田先生、ありがとう」
その言葉があまりに嬉しくて、薄らと涙が零れた。
勉強時間が終わると、料理部からもう少しで完成すると報告され、手伝いに行く。
「神田先生」
完成しているものから運んでいこうとしたら、部長の子に呼び止められた。
「こういう機会を作ってくれて、ありがとうございました」
またお礼を言われた。
参加者の少なさに落ち込んでいたけど、たくさんありがとうって言われると、それも気にならなくなる。
「嬉しそうですね、センセ」
「市原君」
市原君は食器を運んでいる。
いつの間にか手伝いに来てくれていたらしい。
「みんなに喜んでもらえるのがこんなに嬉しいなんて思っていなかったから」
隣を歩く市原君を見上げると、どこかつまらなそうにしている。
終業式が終わって、食堂にクリスマス会に参加する生徒が二十人程度集まった。
料理部が料理を用意するまでの時間つぶしに、勉強会を開催する。
といっても、一時間もやらなかった。
みんな課題が終わったとか、わからなかったところが理解出来たとか、喜んでくれた。
「パーティーなのに勉強とかありえないって思ってたけど、参加してよかった」
「神田先生、ありがとう」
その言葉があまりに嬉しくて、薄らと涙が零れた。
勉強時間が終わると、料理部からもう少しで完成すると報告され、手伝いに行く。
「神田先生」
完成しているものから運んでいこうとしたら、部長の子に呼び止められた。
「こういう機会を作ってくれて、ありがとうございました」
またお礼を言われた。
参加者の少なさに落ち込んでいたけど、たくさんありがとうって言われると、それも気にならなくなる。
「嬉しそうですね、センセ」
「市原君」
市原君は食器を運んでいる。
いつの間にか手伝いに来てくれていたらしい。
「みんなに喜んでもらえるのがこんなに嬉しいなんて思っていなかったから」
隣を歩く市原君を見上げると、どこかつまらなそうにしている。