『由美香へ』
1年後、母子家庭の私たちは、地元の公立中学へ進学した。
私立中学に行きたいなんて、とても言える状況ではなかったし、由美香と離れて別の中学へなんて考えるだけで怖かった。
だけど、入学して半年ほどした頃、私は一部の女子から無視をされるようになった。
なんで?
私には理由が分からなかったが、由美香が原因をいろんな子に聞いて調べてくれた。
原因は私のテストにあったらしい。
人見知りの私は、昔から読書ばかりして過ごした。
下校後も、他の子が友達と遊んでいる時に、私は宿題や自主学習をして過ごした。
もちろん、授業中にお喋りをすることもなく、真面目に先生の話を聞いた。
その結果、勉強だけはそれなりにできる。
リーダー格の子は私の二つ後ろの席に座っている。
テストを受け取って席に帰る時に、テスト直しをしている私の点数が目に入るらしい。
私は、別に自慢したくてテストを広げているわけじゃない。
確かに、隠さなきゃいけないような点数じゃないこともあり、気にすることなく机の上に広げて、全体での説明の前にほんの数問の間違いを見直して、自力で赤で訂正を入れていた。
それが癇に障ったらしい。
自慢気に見せびらかしてると取られ、生意気だから無視しようということになったらしい。
それ、私が悪いの?
私はどうすれば良かったの?
点数を隠せば良かった?
みんなみたいに、できてない振りをすれば良かった?
だって、そんなことしたって、どうせ丸いっぱいのくせにできてない振りしてるなんて、バカにしてるとか、生意気とか言われるんでしょ?
私は、ひとりぼっちには慣れている。
無視したければ無視すればいい。
そう思っていたけど、由美香だけは、私から離れなかった。
いつも一緒にいてくれて、助けてくれた。
だけど、イジメはエスカレートする。
初めは無視だけだったのに、ブスとか地味とか陰気とか聞こえよがしの暴言を吐かれるようになった。
3学期の学年末テストの結果が返ってきた時、それは起こった。
私は返ってきた解答用紙を、普通に机の中にしまっておいた。
けれど、昼休みに先生に呼ばれて職員室に5時間目の資料を取りに行って戻ってきたら、机の上に私のテストが広げられていた。
そこには、それぞれ大きな文字で「死ね」「ウザイ」「キモい」など青や赤のカラーペンで書き殴られている。
それでも、私は、まだ落ち着いていた。
もちろん、悲しいし、悔しいし、むかつくけれど、どちらかというとそれ以上に、
ああ、こんなことまでするんだ
そんなに私のことが嫌いなんだ
という感慨の方が深かった。
私立中学に行きたいなんて、とても言える状況ではなかったし、由美香と離れて別の中学へなんて考えるだけで怖かった。
だけど、入学して半年ほどした頃、私は一部の女子から無視をされるようになった。
なんで?
私には理由が分からなかったが、由美香が原因をいろんな子に聞いて調べてくれた。
原因は私のテストにあったらしい。
人見知りの私は、昔から読書ばかりして過ごした。
下校後も、他の子が友達と遊んでいる時に、私は宿題や自主学習をして過ごした。
もちろん、授業中にお喋りをすることもなく、真面目に先生の話を聞いた。
その結果、勉強だけはそれなりにできる。
リーダー格の子は私の二つ後ろの席に座っている。
テストを受け取って席に帰る時に、テスト直しをしている私の点数が目に入るらしい。
私は、別に自慢したくてテストを広げているわけじゃない。
確かに、隠さなきゃいけないような点数じゃないこともあり、気にすることなく机の上に広げて、全体での説明の前にほんの数問の間違いを見直して、自力で赤で訂正を入れていた。
それが癇に障ったらしい。
自慢気に見せびらかしてると取られ、生意気だから無視しようということになったらしい。
それ、私が悪いの?
私はどうすれば良かったの?
点数を隠せば良かった?
みんなみたいに、できてない振りをすれば良かった?
だって、そんなことしたって、どうせ丸いっぱいのくせにできてない振りしてるなんて、バカにしてるとか、生意気とか言われるんでしょ?
私は、ひとりぼっちには慣れている。
無視したければ無視すればいい。
そう思っていたけど、由美香だけは、私から離れなかった。
いつも一緒にいてくれて、助けてくれた。
だけど、イジメはエスカレートする。
初めは無視だけだったのに、ブスとか地味とか陰気とか聞こえよがしの暴言を吐かれるようになった。
3学期の学年末テストの結果が返ってきた時、それは起こった。
私は返ってきた解答用紙を、普通に机の中にしまっておいた。
けれど、昼休みに先生に呼ばれて職員室に5時間目の資料を取りに行って戻ってきたら、机の上に私のテストが広げられていた。
そこには、それぞれ大きな文字で「死ね」「ウザイ」「キモい」など青や赤のカラーペンで書き殴られている。
それでも、私は、まだ落ち着いていた。
もちろん、悲しいし、悔しいし、むかつくけれど、どちらかというとそれ以上に、
ああ、こんなことまでするんだ
そんなに私のことが嫌いなんだ
という感慨の方が深かった。