彼氏のいない週末は~夏の忘れ物
それからはまずピーリング
今回は日焼けで厚くなったであろう角質層の除去だから、細かいスクラブ入りで一気にいくようだ
それでもマッサージで剥ぎ取るのでなく、やさしく塗布して時間をおいてから、蒸しタオルで拭う
それからスチームをかけながら化粧水でパッティング、美白成分を医療レベルまで濃縮したママ特製美容液をたっぷり塗り込んで、美白クリーム→石膏パックだ
パックの間にデコルテのケア
こちらは優しくマッサージされるんだけど、やっぱり女性とは違う力強い大きな手のひらでされるのは、気持ちいいけどちょっとだけドキドキする
目を閉じて視覚が閉ざされてる分、その他の感覚が研ぎ澄まされるのか、デコルテといえどお胸の上側を触れられる度に、心臓の鼓動が早くなるのはしょうがないよね
意識して呼吸をゆっくりにして、体の緊張を悟られないように、肩がぴくっと跳ねないように気を付けて……って、あれ?今日ってもしかして全身!?え、ママに見られちゃう!!??
ーーーどうしよう、耐えられる気がしない
いやいや、水着の範囲だし、あ、でもセパレートだった…
え~~~!!締まりのないお腹見られちゃうの!?
「何を考えてるか、何となくわかるけど大丈夫よ」
内心ドキドキしてグルグルして焦ってたのが気づかれたようで、ママが笑い混じりに宥めてくれた
それはそれで私ばっかり何か意識してるみたいで恥ずかしいんだけど
「しっかり見てきっちりケアしてあげるから、私に任せなさい」
…若干不穏な言葉が混じった気がするけど、気のせいだよね?
「ちゃんと責任も取るから、全て委ねていいのよ」
「え、セキニン?」
セキニンって、責任?…ってなんの?
「ほらパックが崩れちゃうでしょ、おしゃべりはお終い」
すっごくすっごく気になるけど、確かに固まりかけの石膏は崩せないし、目を開けて彼の顔を伺うこともできない
この状況でこれ以上考えてても、精神上よろしくない
私は思考を放棄したーーー