偽恋
仕事を終えた私は営業部に行った。

タイミングの良い事にちょうど真田さん一人だけだった。

「真田さん・・」

彼の名前を呼ぶと読んでいた資料から私の方に顔を向けた。

「紗南ちゃん・・・。」

いつもとは裏腹の元気のない顔

やっぱりなんかあったんだ

「今日飲みいかん?」

飲みを誘おうと思った矢先に真田さんから誘われた。

「う、うん!じゃーまたロビーで待ってるね。」

「いや、もう今日の仕事は終わらせたからいけるけど。まだ仕事残ってる?」

いつもは明日の分の仕事もやるはずなのに。

「私も仕事終わってるからいけるよ。」

真田さんは机の上を片付け始めた。
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