偽恋
「さ、真田さん・・・。距離近いです。」

名前を呼んでも何も言わない。

ゆっくりと彼の手が胸に触れた。

「真田さん!私、彼女じゃないですよ!」

わたしの言葉と同時に彼の手がピタッと止まった。

やっぱり勘違いしてたのかな。

彼の方を向いた時だった。

「紗南ちゃん・・・。ちゃんと誰かわかってるよ。酔ってないよ」

泣きそうなそんな表情・・。

彼はまたわたしを抱きしめた。

そしてゆっくりとキスをした。



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