偽恋
好きな人
蝉の鳴き声も少しずつ聞こえ始めたそんな7月末

私は職場の後輩 新田陽菜と雑談をしていた。

「 紗南さんって最近噂の彼とはどうなんですか?」

職場(仕事中)にも関わらず陽菜は周りの事を全く気にせずニヤニヤしながら私の方を見てきた。

「一応、仕事中やからな?なんなら、あんまりでかい声で言うなよ」

見た目の割に口が悪い、話し方が残念と言われる私ではあるがそんなことも気にする事なくいつも通りの口調で陽菜を注意する。

しかし、陽菜はそんなことも気にする事なく自分のスマホを触りだした。

「わかってますけど、全然お客さん来ないじゃないですか。見てくださいよ!予約も見事に空きしかない笑」

そう言って予約が一個も入っていないガラガラの予約票を私に見せつけてきた。
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