大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
「住む世界が全く違うんです。専務は上流階級の人間。伊ヶ崎専務の父親の伊ヶ崎社長も、上流階級の奥様と結婚しています。元々社長はキャリアウーマンの恋人が居たらしいのですが、結局結婚したのは上流階級の女性。かなり騒動があったそうで、今でも秘書課では語り継がれているんです。私達みたいな一介の会社員は、弄ばれて捨てられるだけですよ」
違う。悠真はずっと一般的に生きてきた。いきなり上流階級の仲間入りをして、私達の価値観に戸惑っていた。弄ばれて捨てるなんて、きっと彼は出来ない人だ。彼の母親が状況的にはそうだったから。
「だから、諦めた方が良いかと。悪い事ではありません。円城さんの為を思って申し上げております。シンデレラストーリーなんて、現実は無いんですよ」
シンデレラと呼ばれていたのは悠真の方だ。シンデレラボーイ、そう呼ばれていた頃の彼を思い出す。
「……私も反対だわ。本当に苦労しそう。美咲は可愛いし、いい子だけど、伊ヶ崎専務は顔も良いし、絶対色々な所でモテそうだから、要らない気苦労もしそうだもん」
麗奈も眞木さんに同調する。苦労していたのは、悠真の方なのだ。私は二人に苦笑いを返した。
「そうですね……。確かに世界が違います」
その上流階級の円城家の人間だとは二人とも知らない。世界的には完全に釣り合っている事も知らない。
そして、伊ヶ崎悠真と夫婦だという事も。
違う。悠真はずっと一般的に生きてきた。いきなり上流階級の仲間入りをして、私達の価値観に戸惑っていた。弄ばれて捨てるなんて、きっと彼は出来ない人だ。彼の母親が状況的にはそうだったから。
「だから、諦めた方が良いかと。悪い事ではありません。円城さんの為を思って申し上げております。シンデレラストーリーなんて、現実は無いんですよ」
シンデレラと呼ばれていたのは悠真の方だ。シンデレラボーイ、そう呼ばれていた頃の彼を思い出す。
「……私も反対だわ。本当に苦労しそう。美咲は可愛いし、いい子だけど、伊ヶ崎専務は顔も良いし、絶対色々な所でモテそうだから、要らない気苦労もしそうだもん」
麗奈も眞木さんに同調する。苦労していたのは、悠真の方なのだ。私は二人に苦笑いを返した。
「そうですね……。確かに世界が違います」
その上流階級の円城家の人間だとは二人とも知らない。世界的には完全に釣り合っている事も知らない。
そして、伊ヶ崎悠真と夫婦だという事も。