大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
両親と秘書
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「それにしても美咲ちゃん綺麗になったわねえ!」
総合商社《伊ヶ崎》の創立百五十周年の記念パーティー。
悠真の義母であり、私の義母でもある伊ヶ崎当主の妻がはしゃいだ声を上げた。そんな彼女は薄い青色の色留袖を着ている。大人の女性の落ち着きを現しているかのようなその色は、とても似合っていた。
そして、悠真の隣を着いて歩く私が注目を浴びないはずがなく、会う人全てから突っ込まれている。大体が《伊ヶ崎》のグループ会社の社長や役員、取引先の重役なのだから、緊張しっぱなし。
悠真はそんな私に気付いているのだろう。先程からちょくちょく休憩を取らせてくれている。
悠真自身は慣れているのか、ケロッとしているのだけれど。
そして、今度は伊ヶ崎の当主夫妻に捕まったのである。たぶん専務の悠真より、社長夫妻の彼らの方が忙しいと思うのだけれど、そんな様子は見た限り全くない。
「悠真と美咲ちゃんがこうやって二人並ぶの私楽しみにしてたのよ……」
私達二人を見比べて、お義母さんは感極まったように瞳を潤ませた。そのお義母さんの肩を抱き寄せながら、白髪混じりのお義父さんは目元に皺を作って微笑んだ。この笑い方は悠真に似ている。
いや、悠真が似ているのか。
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「それにしても美咲ちゃん綺麗になったわねえ!」
総合商社《伊ヶ崎》の創立百五十周年の記念パーティー。
悠真の義母であり、私の義母でもある伊ヶ崎当主の妻がはしゃいだ声を上げた。そんな彼女は薄い青色の色留袖を着ている。大人の女性の落ち着きを現しているかのようなその色は、とても似合っていた。
そして、悠真の隣を着いて歩く私が注目を浴びないはずがなく、会う人全てから突っ込まれている。大体が《伊ヶ崎》のグループ会社の社長や役員、取引先の重役なのだから、緊張しっぱなし。
悠真はそんな私に気付いているのだろう。先程からちょくちょく休憩を取らせてくれている。
悠真自身は慣れているのか、ケロッとしているのだけれど。
そして、今度は伊ヶ崎の当主夫妻に捕まったのである。たぶん専務の悠真より、社長夫妻の彼らの方が忙しいと思うのだけれど、そんな様子は見た限り全くない。
「悠真と美咲ちゃんがこうやって二人並ぶの私楽しみにしてたのよ……」
私達二人を見比べて、お義母さんは感極まったように瞳を潤ませた。そのお義母さんの肩を抱き寄せながら、白髪混じりのお義父さんは目元に皺を作って微笑んだ。この笑い方は悠真に似ている。
いや、悠真が似ているのか。