大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
 庇ってくれた。背中を押された気がした。その事が嬉しくて、私はほんの少しだけ悠真の方に身を寄せる。

 働くのも悠真が取り計らってくれた事だ。ここはパーティーだからあんまり言われてないけど、初めに働きたいと言った時は親に怒られた。

 曰く、もう円城家の人間じゃないんだから、伊ヶ崎家の家の為に尽くせと。
 大学は通わせてもらったけど、義母は早いうちに孫の姿が見たかったそうだから、私一人で説得は難しかっただろう。

 悠真のお陰で今、私は働けている。

 不純な動機だったけど、それでも今の状態がとても楽しいんだ。義母は悠真に言われて口元を抑える。


「あら……私ったら……、散々子供について言われて嫌だったのに……」


 うっかり出てしまったといったように眉を寄せる。自分が言われていた事を、言ってしまったと。そんな義母を、義父は宥めるように背中を撫でた。


「美咲、お仕事は辞めた方が楽でしょう?沢山色んな事に時間使えるのよ?習い事だってもっと広げられるわ」


 母親が説得するような調子で私の肩に手を置く。父親は何も言わなかった。きっと母親に同意なのだろう。
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