大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
離婚を考えるまでの――
―――――――――――――――
――――――――――
「悠真くんと美咲ちゃん婚約おめでとう。仲良し同士がカップルになるのって嬉しいねっ」
そうニコニコと聖母のように微笑んだのは、京極帆乃香。旧姓、榛名帆乃香であり、私は高校と大学も学部が一緒だったので、かなりの頻度で行動を共にしていた子。大学卒業前に人妻になり、現在は妊娠八ヶ月目らしい。お腹がぽっこり膨らんでいる。
彼女も私達と同じく生粋のお嬢様。
不純な動機で就職した私と、周囲の反対を押し切ってまで自分のやりたい事を貫いて看護師になった莉佳子とはまた違い、彼女はこれからも一般的な労働とは無縁の生活を送るのだろう。というか、お嬢様の多くはそんな道を辿る。
完全個室のイタリアンのレストラン。ちょっと陽気なミュージックが掛かっている店内で、帆乃香はふわふわとした笑みを浮かべる。どこか浮世離れしているような雰囲気さえあった。別に大学までは珍しくともなんともなかった。でも、社会に出てからそういったタイプとは会っていない。
こうして見ると、私達の上流階級は普通と一線を画していたのだなと思い知らされる。
――――――――――
「悠真くんと美咲ちゃん婚約おめでとう。仲良し同士がカップルになるのって嬉しいねっ」
そうニコニコと聖母のように微笑んだのは、京極帆乃香。旧姓、榛名帆乃香であり、私は高校と大学も学部が一緒だったので、かなりの頻度で行動を共にしていた子。大学卒業前に人妻になり、現在は妊娠八ヶ月目らしい。お腹がぽっこり膨らんでいる。
彼女も私達と同じく生粋のお嬢様。
不純な動機で就職した私と、周囲の反対を押し切ってまで自分のやりたい事を貫いて看護師になった莉佳子とはまた違い、彼女はこれからも一般的な労働とは無縁の生活を送るのだろう。というか、お嬢様の多くはそんな道を辿る。
完全個室のイタリアンのレストラン。ちょっと陽気なミュージックが掛かっている店内で、帆乃香はふわふわとした笑みを浮かべる。どこか浮世離れしているような雰囲気さえあった。別に大学までは珍しくともなんともなかった。でも、社会に出てからそういったタイプとは会っていない。
こうして見ると、私達の上流階級は普通と一線を画していたのだなと思い知らされる。