大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
 いっそ、麗奈に全部ぶちまけて協力を仰ぎたい所なのだけれど、職場の人にバレてはいけないのが私の労働条件の一つ。

 もう一つは子供が出来たら、仕事を辞める事。悠真の説得で、この二つを守る事と引き換えに就職出来た。

 ……資産家円城家の一部には有名な肩書きを思わず呪ってしまいそう。


「そういえば美咲、専務と中々良い雰囲気だったわね」

「い、良い雰囲気?!」


 完全に不意打ちを食らって声が裏返る。麗奈は奇妙なものを見る目で「なんでそんなに焦ってるのよ」と私に言った。


「い、いや、驚いたのよ……。普通に」

「ふうん?」


 そんなこんなで上機嫌な麗奈と会社前で別れ、通知ランプが点滅しているスマートフォンをチェックする。


「あ……、涼からだ」


 高校時代、仲良くしていた男子の一人からの久しぶりのメッセージに、思わず声が出た。
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