大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
 身体の筋肉痛と疲労感以外、いつも通りすぎて、まるで今朝の事が幻だったんじゃないかって気分になってくる。


「それじゃあね!しっかり寝るんだよ!」

「うん。お疲れ様」


 麗奈と軽く手を振り合い、私は帰路についた。私と同じように就業を迎えたサラリーマンやOLの人混みに紛れる。
 やや人の多い電車に乗り数駅、職場から近い自宅にはすぐに着いた。仕事用の服を脱いで、ラフな服に着替える。

 朝の宣言通りに悠真はほぼ定時通り、すぐに帰ってきたらしい。
 玄関の扉が開く音が聞こえて、私は玄関に向かった。


「おかえり」

「ああ……、ただいま」


 ふにゃりと微笑んだ悠真は、私に近づいてやや屈む。リップ音と共に唇に柔らかい感触が伝わる。


「〜〜っ」


 急にされたキスに顔を熱くする私の反応に、悠真は愉快そうに喉を鳴らして笑う。


「初心なのもいいけど、早く慣れてね?――俺に」


 何故か腰を片腕で抱かれてリビングに戻る。
 完全に自分のペースとやらを忘れてしまったレベルで、悠真に流されている。
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