大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
「すごい似合ってるよ。綺麗だ」

「本当?」

「ああ」


 試着した私を見た悠真が目を細めて、眩しそうに私を見る。嘘を言っているような雰囲気ではない。


「やっぱり結婚式は絶対にやりたいね。結構時間が経ってしまったけど」

「結婚式……」

「ほら、結婚式って女の子の憧れってイメージあるんだけど……」


 首を捻った悠真に「そうだね」と頷く。例に漏れず、私も結婚式にも、ウェディングドレスにも憧れはある。


「落ち着いたら絶対しようか。美咲のウェディングドレスは絶対に見たい。ああ、でも神前結婚式もいいよね。白無垢も似合いそうだ」

「もう!今はパーティー用のドレスな試着の話よ!」


 多少脱線したけど修正部分の確認を終え、私達はそのまま表参道を二人で歩くことになった。近くにジュエリーショップもあるから。

 休みという事もあり、表参道には人通りが多い。人とぶつからないように、さり気なく私に店舗側を歩かせようとする彼の気遣いに気付いた時、じんわりと心の中が温かくなる。
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