大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
「そういったのじゃなくて……セカンドマリッジリング、かな」


 驚いたような表情を少し滲ませた店員だったが、すぐさま「かしこまりました」と頷く。それもそうよね。私達みたいに二十三歳で結婚してるのも若い方なのに、セカンドマリッジリングだもの。


「結婚指輪と一緒に重ね付けといったご希望はありますか?」

「……ある?」


 悠真が伺うように私を見る。私も考え込む。


「うーん。どっちでもいいかも。一緒に付けるとかよりも、気に入ったデザインで選びたいかな」


 だって、親に買ってもらった結婚指輪だし。


「かしこまりました。……そうなりますと、エタニティリングがオススメです」

「エタニティリング……」

「ええ。以前から結婚記念日に旦那様から奥様へのプレゼントとして人気がありましたが、最近では婚約や結婚指輪としての人気も高くなっております。永遠の愛、という意味があるんですよ」

「へえ、そんなのがあるんだ」


 悠真が食いついた。セカンドマリッジリングなんて言っていたけれど、アクセサリー類を普段付けない彼は実はあんまり詳しくない。

 店員に案内されたショーケースの中には、リングの全周にダイヤモンドが埋め込まれたデザインの指輪が並んでいた。かなり華やかな印象をうける。
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