殺人鬼と女子高生1
次の日、私は授業を受けるなんて気にはならなかった。
昨日の会話をずっと頭の中で永遠とリピートしていて、先生の声は届かない。
(早く放課後にならないかな……)
今日、カフェに行ってあの人がいるかは分からないけど、とても楽しみにしていた。
号令がかかり、私は急いで教室を出ようとした。
「おいおい!!なんでそんなに急いでんだよ?」
「えっ?何?ちょっとどいてよ」
「いや、お前今日掃除当番だし」
いきなり出てきたのは、幼なじみの颯太(そうた)だ。
黒髪で、サラサラの髪で、私よりも10センチ以上背が高い。
「え〜〜」
「えーじゃない、早くやれ」
「はーい……」
と、口をとがらせて言った。
「てかお前、なんでそんなに急いでんの?今日バイト?」
「いや違うけど…」
「昨日も帰ったよな?掃除しないで」
「うっ……」
「まぁ何かとは聞かないけど、大概にしろよなー?」
そう言うと、呆れたように、ヘラっと笑った。
「分かってるよ〜」
(はぁ…今日は早く行きたかったのになぁ…)
「てかさ、今度お前が見たいって言ってた本、貸してあげようか?」
「あー、それもう大丈夫!」
「え、買ったの?てかお前ほんとか苦手なのにな」
「買ってないよ、借りるの」
「誰に?」
「秘密!」
「まぁいいけどさ…あ、今週の土曜家こいよ。新しいゲーム買ったんだよ」
「え!ほんと!行きたい!」