誰かのためにこの恋をしたわけじゃない
ふと目線を下げた先に花壇があったが、そこには何も植えられていない。


春夏に彼の家に向かう途中にふと気がついた。
何か花が植えられていて、その度に彼と「あの花の名前分かる?」と同時に問いかけて笑った。
その時に調べることもせず、また見た時でいいやとどこかで思っていた。

私は、その答えを知ることはもうない。

彼の問いにいつか誰かが答えるのだろうか。


猛烈な嫉妬がこみ上げたのは一瞬だった。

別れって諦めることなのかも知れない。
一緒に答えを見つけることを放棄する。


お互いいつか誰かと、見つけるために?
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