誰かのためにこの恋をしたわけじゃない
遠くにいる彼が私を振り返る。
もう日が暮れてきていて、彼の顔が見えない。
彼が立ち尽くす私に向かって歩いてくる。
今の彼がどんな顔をしているのか、今の私はまだ知ることができる。
今の私がどんな顔をしているのか、今の彼にまだ見せることができる。
それだけで、どこにでも落ちていそうなこの恋にも意味があると思える。
「もっとそばにいたい」の言葉と共に冷たい空気を飲み込むと、喉が震えて涙がにじむ。
「好きになってよかった」
彼の影が頷いたように見えた。
「ありがとう」
そうして、あなたを知らない私の冬が来る。
終わり
もう日が暮れてきていて、彼の顔が見えない。
彼が立ち尽くす私に向かって歩いてくる。
今の彼がどんな顔をしているのか、今の私はまだ知ることができる。
今の私がどんな顔をしているのか、今の彼にまだ見せることができる。
それだけで、どこにでも落ちていそうなこの恋にも意味があると思える。
「もっとそばにいたい」の言葉と共に冷たい空気を飲み込むと、喉が震えて涙がにじむ。
「好きになってよかった」
彼の影が頷いたように見えた。
「ありがとう」
そうして、あなたを知らない私の冬が来る。
終わり