お願いだからそばにいて

告白

「遠藤さん、好きです！付き合ってください！」
とある男子に呼び出され、告白された。
生まれて初めての告白だった。
「ありがとう、とても嬉しい！でも…ごめんなさい…あまり知らなくて」
「そっか…。でも、気まずくならないで普通でいいから、じゃ…」
立ち去ろうとした彼に声を掛けた。
「あ、あのっ…！名前、なんて言うの？」
「えっ？坂本祐介。C組だけど…」
すると坂本くんは驚いたように何度も瞬きをしていた。
「そっか、じゃあ！」
私が教室に戻ると愛梨に告白されたと話した。
「え、まじっ？！」
「うん…。C組の人で…」
「凄いじゃん！でも、あまり知らないんでしょう？」
「そうだけど…」
私は少し落ち込んでしまう。
けど、すぐに愛梨が話し始める。
「あ、そーだ！C組と言えば坂本祐介くんだよね！イケメンで超モテてるの！学年で知らない女子は数人しかいない男子！…って、桜は知るわけないか！」
私はびっくりして固まった。
「あのさ…告白されたの、その人なんだけど…」
「えええええ？！付き合えばいいのに！」
「だって、名前も知らなかったんだよ？」
「そうかもだけど…」
私はこれから彼氏を作らない。
そう決めていたから…。