お願いだからそばにいて
「どっか行きたいとことか、ある?」
私は圭にそう聞く。
圭はうーんと考えていた。
「体育祭の後だし、甘いもの食べたい。そうだ、パフェにしない?」
「パフェか!私も甘いもの食べたいな!」
私がそういうと、だよな!と圭は笑う。
「じゃ、行くか!俺が奢る」
「いや、いいよ…!大丈夫だから…」
「奢るっていってるんだから奢るんだよ。な?」
彼の言葉に私はこう言った。
「うん、お願い、します!」



「おいしー!」
「だよねー、まさか同じの指差したのはびびったけど」
「ははっ、だよな!」
私は最後まで笑っていた。
圭に笑って欲しくてただ笑っていた。
「今日はありがと、じゃあ…」
「なぁ、最後に抱きしめていい?」
「うん…」
私は抱きしめられた。
寂しいけれど、嬉しかった。
「じゃあね、圭」
「ありがとう」
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