お願いだからそばにいて
あと半年

再会

ある日の帰り道のことだった。
「じゃあ、私はこっちだから」
「じゃあねー」
愛梨と別れ、1人で帰っていたときだ。
「桜」
私は驚いて振り返る。
そこにいたのは奏だった。
ようやく帰って来た。 

でも、私…。


「…誰?」
冷たく、そう言ってしまった。
「桜、覚えてないの?」
「覚えてるも何も初対面じゃない…。何言ってるの…?」
大きな嘘を、好きな人についた。
「そっか。ごめん…」


なんで、奏が謝るの?
なんで…。

「じゃあ、私はこれで…」
私はそう言い放つと、急いで家へと向かった。
なんで、なんで…?
涙が溢れて止まらなかった。

余命が、あと…
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