お願いだからそばにいて
「私…、余命あと半年なの…」
「え?」
「だから、皆には迷惑かけたくない、し。…告白だって!…それで断ったの。1人になってほしくない…」
私がそう言うと、彼の怒ったような声が聞こえた。
「何でだよ!」
「え?」
「何で言ってくれないんだよ!1人で抱え込むなよ!」
彼のその言葉に確かにそうだと感じた。
「ごめ、ん…」
「俺、1人になったっていい。桜が悩んでる所なんて見たくない。俺がお前のそばに居たいんだ。…俺はそんなに頼りない?」

「頼りないわけないよ…」
「…え」
「私も、そばにいたい…」
「うん…」
「だからそばにいてほしい…そして、付き合って…」
「…いーよ」
2人で笑った。
『俺がそばにいたいんだ』
その言葉で励まされた。

だから…


頑張らなきゃ、私。


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