お願いだからそばにいて

奏side

桜、やっと会えたのに死ぬなんて本当は絶対嫌だよ。
俺は彼女の前だけは強がって、1人になりたくないのに1人でもいいと言った。
本当は凄く寂しがり屋でずっと彼女といたいと思っていた。
彼女が余命半年になったころ俺はこの町に戻ってきた。
『桜』
俺が呼ぶと彼女は振り返る。
『…誰?』
そう言ったとき、桜は前髪を触った。
桜は嘘をつくとき前髪を触る癖がある。
それを知っていたけど、凄くショックだった。
『桜、覚えてないの?』
『…覚えてるも何も初対面じゃない。何言ってるの?』
前髪を触っているからすぐに嘘だってわかった。
あとで桜の友達利用して会話出来るようにしようと思った。
翌日、入るクラスに行くと、クラスが騒がしかった。自己紹介するだけで凄い騒ぎ。
隣の席の人を見て唖然とした。
そこにいたのは桜だった。
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