エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「だったら恭ちゃんが相手をしてよ」
晶さんは妖艶に微笑んで、恭吾さんの首に手を絡めた。
わー、美男美女……じゃなかった。美男と美男だけどお似合い。
ふたりのやり取りをちょっと興奮しながら見ていたら、恭吾さんが晶さんを見てフッと笑った。
「晶、歯に口紅ついてるよ」
「え?やだ、嘘!」
晶さんは恭吾さんから離れ、口元を手で隠す。
この晶さんを相手にしても動じない恭吾さんってやっぱり凄い。
感心する私を見下ろして、恭吾さんは保護者顔で注意した。
「葵、こいつの半径一メートル以内に近づかないこと。妊娠させられるよ」
「ちょっと人を盛りのついたネコみたいに言わないで……!?」
口を尖らせ文句を言う晶さんの言葉を黒髪のイケメンが現れて遮る。
「恭吾の言ったことは正しい。晶には気をつけろ。俺も昨日襲われそうになった」
彼は坂井涼太。
涼太さんも恭吾さんの同級生で、うちの弁護士。
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