エリート弁護士は独占愛を刻み込む
恭吾さんが私に目を向け保護者のように注意すれば、学もまじまじと私を見てからかった。
「言われてみれば、葵痩せた?昔は肉見たらガツガツ食べてたじゃないか?」
「あのねえ、体育会系の男子じゃないんだから、そんなガツガツ食べてないよ」
ムッとして言い返す私に、恭吾さんは少し厳しい顔で私の前にある皿を指差す。
「葵、弟くんに噛みつく暇があったら、食べる。その皿の肉は葵のノルマだよ」
「えー、こんなに食べられないですよ」
文句を言ったら、恭吾さんは私に顔を近づけて声を潜めた。
「食べなかったら後でお仕置きするよ。首筋にキスマークつけるのも楽しそうだなあ」
彼に警告に背筋がゾクッとする。
この人、絶対にドSだ。
「……食べます」
またキスマークをつけられたら困る。
しかも、首になんてつけられたら、手首と違って隠すのが大変だ。
仕方なく彼に従い肉を食べ続けていたら、学の視線を感じた。
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