エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「ごめん。久々に会ったからつい……ね」
この目。
ひょっとして私と恭吾さんが恋人じゃないってバレてる?
ビクビクしながら弟を見ていたら、恭吾さんがうまく私をフォローしてくれた。
「学くん、お風呂入って来たら?」
家主らしくスマートに振る舞う恭吾さん。
私とイチャイチャしてるわけでもないのに、時折見せる優しい眼差しや、気遣いで大人な彼氏を演じている。
それがあまりに自然だから、私も本当に恭吾さんに愛されてるんじゃないかと勘違いしてしまいそうになる。
弟はソファから立ち上がり、恭吾さんに目を向けた。
「お言葉に甘えてお風呂いただきます」
「バスルームはこっちだよ」
恭吾さんもスッとソファから立って学を案内する。
リビングからふたりの姿が消えると、ハーッと息を吐いてソファに寝そべった。
「……なんか……とっても疲れた」
このまま寝てしまいたい。
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