エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「姉思いだね」
俺が褒めると、彼はチラリと葵に目を向けてまた視線を俺に戻し、悪戯っぽく笑った。
「葵には内緒にしてください。調子に乗って俺をからかうでしょうから」
「了解。そろそろ葵をベッドに運ぶよ」
小さく頷くとソファから立ち上がり、葵を抱き上げる。
「俺ももう寝ます」
学くんはリビングのドアを開けて、俺と葵を通す。
「ありがとう。おやすみ」
そう声をかけると、彼は「おやすみなさい」とにっこり笑って挨拶を返し、ゲストルームに向かう。
俺も反対側にある自分の寝室に葵を運び、ベッドに寝かせた。
身を屈めて葵のブラウスのボタンを外して少し楽にしてやると、彼女がパッと目を開けた。
「え?恭吾……さん?」
俺を見て驚いた顔をする彼女。
「ソファで寝てたから、俺の寝室に運んだんだよ」
「私……やっぱりゲストルームで学と一緒に寝よう!?」
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