エリート弁護士は独占愛を刻み込む
葵は怖がっていないし、俺を拒んでもいない。
先に進むのは簡単。
だが、身体だけで繋がっても、心が通い合わなければ虚しいだけ。
理性で自分の欲望を押さえて、彼女とのキスを終わらせた。
「すごく感じてたみたいだったけど、そんなによかった?俺のキス」
クスクス笑いながら葵の唇を親指の腹でゆっくりとなぞると、彼女は急にハッとした顔になり、わなわなと震えた。
「か、感じてません!」
「覚悟してね。俺が本気を出したらベッドから出られなくなるよ」
唇が触れそうな距離で葵に告げれば、彼女はあたふたしながら俺の胸を押しのける。
「そんな本気出さなくていいです。お風呂入ってきます!」
ぷんぷん怒りながらベッドを抜け出し、寝室を出て行く彼女。
寝室のドアが勢いよくバタンと閉まると、俺はゴロンとベッドに寝そべった。
俺から逃げたつもりだろうけど……。
「他の男に譲る気はないから」
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