エリート弁護士は独占愛を刻み込む
俺は「おやすみ」と彼女に声をかけると、部屋の電気を消して、シャワーを浴びにバスルームに向かった。
さっぱりして寝室に戻れば、彼女の寝息が微かに聞こえる。
だが、やはり床で寝ているせいか何度も寝返りを打って寝苦しそうだ。
「素直にベッドで寝ればいいのに」
世話の焼ける姫だね。
葵をそっと抱き上げてベッドに寝かせると、俺も彼女の隣に横になった。
そのまま寝ようと思ったが、やはり葵が隣にいると庇護欲をかき立てられるのか、触れずにはいられなくなって……。
背後から葵の身体を守るようにそっと抱きしめた。
シャンプーもボディーソープもお互い同じものを使っているのに、彼女からはほんのり甘い香りがする。
「ぐっすりおやすみ」
彼女の耳元で囁いて静かに目を閉じる。
葵の温もりにも慣れてきたせいか、すぐに心がリラックスしてきて、そのまま穏やかな眠りに誘われた。
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