エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「……いつも自信に満ち溢れていて、ずっと光の中を歩いてきたんだと勝手に思ってました」
自分も辛い思いをしたから、きっと恭吾さんは私を助けてくれたんだ。
気まぐれで私を拾ったんじゃない。
今なら彼の気持ちがよくわかる。
お昼もそうだったけど、また恭吾さんのことを思うと目にじわじわと涙が込み上げてきた。
「今日は恭ちゃんにとって一年で一番辛い日よ。マンションに帰ってきたら優しくしてあげて」
晶さんがポンと私の肩を軽く叩き、自分のオフィスに入っていく。
私は目からこぼれ落ちそうな涙を拭うと、もうすっかり自分の家となった恭吾さんのマンションに帰宅した。
夕飯はひとりなのでパスタの一品で済ませ、家事もひと通り終えると、ピンポーンとインターフォンが鳴った。
あっ、荷物が届いた。
応対して荷物を無事に受け取ると、それは私の身体よりも大きなダンボールの箱。
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