エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「中身なんだろう?」
箱は大きいけど、重さは十キロもない。
リビングに荷物を運んで、ダンボールを開ければ、そこには組み立て式のクリスマスツリーが入っていた。
「飾るってそういうことか」
多分、私がいなかったら、ツリーなんて恭吾さんは買わなかっただろう。
彼の心遣いが嬉しかった。
イブは明日だけど、もうとびきりのクリスマスプレゼントをもらった気分。
私は彼に与えられてばっかりだな。
涙ぐみながらツリーを組み立てていく。
ツリーの高さは百八十センチほど。
脚立を持ってきて飾り付けをすると、部屋の電気を消してツリーの電飾のスイッチを入れた。
赤、青、緑、黄色……といった色鮮やかな電飾の光が私を魅了する。
「わあ、すごく綺麗」
部屋から見える夜景とマッチしていてとても素敵だ。
でも、やっぱり家主がいないと寂しい。
「帰宅は深夜って言ってだけど、早く帰ってこないかな、恭吾さん」
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