エリート弁護士は独占愛を刻み込む

ソファに寝そべってボーッとツリーを眺めていたら、恭吾さんが帰ってきた。
「……葵？」
ソファのところまでやってきて身を屈めて私の顔を覗き込む彼。
「真っ暗にしてどうしたの？」
穏やかな顔で問いかける恭吾さんからは微かにお酒の匂いがした。
「ツリーの電飾が綺麗だったから。お帰りなさい」
ゆっくりと上体を起こして恭吾さんに微笑むと、彼は優しい眼差しで返した。
「ただいま。またソファで寝てるかと思った」
「うん。半分寝てたかも。クリスマスツリーありがとう」
お礼を言うと、彼は少し嬉しそうな表情になる。
「どういたしまして。葵がいるなら置こうかなって思ってね。飾り付けうまく出来たみたいだね」
「大きかったけど、楽しかった。こんなに大きなツリーじゃなかったけど、実家にいた時も学と一緒に飾り付けしたの。ツリーがあると、家が華やかになるね」
「確かに。でも葵がいるだけで、家の中が明るく感じる。明日も仕事だし、葵はもう寝たら？眠そうな顔してる」