エリート弁護士は独占愛を刻み込む
恭吾さんが私の頰に手を当てた。
「うん。おやすみなさい」
恭吾さんが帰ってきたことに安心してソファから立ち上がると、彼は私の頭に軽くチュッとキスをする。
「おやすみ」
照れもなくそのキスを受け入れてしまうのは、眠いせいかもしれない。
自分の寝室へ行くと、ベッドに入り目を閉じる。
恭吾さんがいるからここが家だって思えるんだ。
そう彼がいるから安心ーー。
なにか温かいものに満たされたような気がして、そのままスーッと眠りに落ちた。

「やめろー!」
恭吾さんの叫び声がしてビックリして飛び起きた。
なに?今の叫び声?
チラリと目覚まし時計に目をやれば午前二時過ぎ。
一瞬夢かと思ったのだけど、「やめてくれー!」とまた彼の叫び声がして、ベッドを飛び出て彼の寝室に向かう。
すると、「死ぬなー!」と恭吾さんがベッドで暴れながら叫んでいて……。
「恭吾さん、夢だよ」
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