エリート弁護士は独占愛を刻み込む
10、クリスマスイブの朝ー恭吾side
いつものように朝の目覚ましが鳴って、すぐに止めた。
「もう七時か」
二時間も寝ていないが、頭はスッキリしているし、身体も軽く感じる。
清々しい朝だ。
そんな風に感じるのは、横で寝ている彼女のお陰。
目覚ましが鳴ったが葵は相当疲れているのか、全く反応せずぐっすり寝ている。
枕に片肘をついてその可愛い寝顔を眺めた。
今日はクリスマスイブ。
平日で仕事があるのだが、昨夜の余韻に浸るくらいの時間はある。
いつか葵を自分のものにすると考えていた。
もう少し俺の存在に慣れさせ、彼女が俺を欲するまで待つつもりでいたのだ。
一緒に住んでいるのだし、焦る必要なんてない。
しかし、こんなにことが急激に進むとは俺も予想していなかった。

昨日……十二月二十三日はクライアントのお嬢さんの命日だった。
彼女が亡くなってから毎年俺は墓参りをし、ご両親のところにも行って線香をあげさせてもらう。
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