エリート弁護士は独占愛を刻み込む
葵が財布を持って慌ただしくオフィスを出て行く。
そんな彼女を笑顔で見送ったが、どうしても表情が硬くなる。
もうあのお嬢さんのような自殺者を出したくない。
もっと強くならなければ。
俺はなんのために弁護士になった?
法律を駆使して困っている人を救うためじゃなかったのか?
父の会社を手伝うように言われていたが、兄もいたし、俺は弁護士になる道を選んだ。
デスク周りを片付けて、外出する準備をしていたら、ドアをノックする音がして宗一郎さんが顔を出した。
彼は俺の恩人だ。
あのお嬢さんの事件の後に腑抜け状態になった俺は、最初に入った弁護士事務所を辞めて、アメリカでニューヨーク州の弁護士資格を取得した。
あの時は日本にいたくなかったんだ。
そのままアメリカに居続けようとも思ったが、祖母に代理出席を頼まれたパーティで宗一郎さんに会い、『うちに是非来てほしい』と彼の事務所に誘われた。
そんな彼女を笑顔で見送ったが、どうしても表情が硬くなる。
もうあのお嬢さんのような自殺者を出したくない。
もっと強くならなければ。
俺はなんのために弁護士になった?
法律を駆使して困っている人を救うためじゃなかったのか?
父の会社を手伝うように言われていたが、兄もいたし、俺は弁護士になる道を選んだ。
デスク周りを片付けて、外出する準備をしていたら、ドアをノックする音がして宗一郎さんが顔を出した。
彼は俺の恩人だ。
あのお嬢さんの事件の後に腑抜け状態になった俺は、最初に入った弁護士事務所を辞めて、アメリカでニューヨーク州の弁護士資格を取得した。
あの時は日本にいたくなかったんだ。
そのままアメリカに居続けようとも思ったが、祖母に代理出席を頼まれたパーティで宗一郎さんに会い、『うちに是非来てほしい』と彼の事務所に誘われた。