エリート弁護士は独占愛を刻み込む

クライアントの娘さんがマンションの屋上に立ち、俺の顔を見て悲しそうに笑って……俺の制止も聞かずに飛び込む。
『やめろー！」
悪夢から俺を救い出してくれたのは葵だった。
その流れで彼女と身体を重ねて、こうして朝を迎えた訳だが、明け方まで抱いて少し無理をさせたと反省している。
狂おしいほどに葵を求めてしまった。
葵が「う……ん」と寝返りを打ち、俺に抱きついてきた。
これは疲れてずっと起きないかと思ったが、俺が葵の髪を梳くと、彼女がパチッと目を開けた。
「おはよ」
とびきりの笑顔で挨拶すれば、彼女は俺を見て顔を赤くする。
心の中で「ギャー」と叫んでいそうだ。
「後悔してる？」
葵の顎を掴んで目を合わせると、彼女は「してません！」と少し怒って言った。
その言葉を聞いて安心する。
一方的に彼女を抱きたくなかったから。
「それじゃあ、葵は俺の身体を気に入った訳だ」