エリート弁護士は独占愛を刻み込む
彼女は狼狽えながら俺から視線を逸らした。
「ごめん。俺鈍感だからわからないな」
意地悪かと思ったが、そう言い返したら、彼女は語気を強め話を逸らす。
「恭吾さんが鈍感だったら、世の中のほとんどの人は鈍感になります!」
「葵、話誤魔化さないでくれる?俺に抱かれたいって思った理由を是非聞かせてもらいたいなあ」
じっと葵の顔を見つめて、彼女の告白を待った。
「あー、もう七時半だ。朝食作らないと」
俺の抱擁を解いて白々しくもそんな言い訳をする彼女の身体を再び捕まえる。
「言うまでベッドから出さないけど、それでもいいの?」
ペロッと葵の首筋を舐めて、一応の彼女の意見も聞いてみる。
「ギャッ!」と奇声をあげる彼女。
「それはイエスってこと?」
クスリと笑みを浮かべて確認したら、彼女は俺に噛み付いた。
「違います!もう、私を誘惑しないでください!」
< 177 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop