エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「じゃあ、理由を説明してくれるんだ?さあ、言ってよ」
ニッコリ笑顔で要求すれば、彼女は渋々といった顔でボソッと呟くように言った。
「……恭吾さんが……好き……だから」
その言葉に自然と頬が緩む。
だが、もっとはっきり聞きたくて彼女に聞き返した。
「声が小さ過ぎて聞こえない」
俺の発言に葵は疑いの眼差しで反論する。
「絶対聞こえたでしょう!恭吾さんって優しそうに見えて結構ドSですよね?」
そんなことを言われたのは初めてである意味新鮮。
意地悪するのは彼女限定だからね。
「また話をすり替えようとしてるよ、葵。今日はふたりで仕事お休みしようか。正一さんが泣いちゃうかもしれないけど」
今度はパクッと葵の耳朶を甘噛みすると、「きょ……恭吾さん、本当にダメ」と少し艶っぽい声が聞こえた。
「いい声だね」
もっと鳴かせてみたい……という考えが頭に浮かんだ。
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