エリート弁護士は独占愛を刻み込む
しかし、葵は不穏な空気を感じたのか、ついに観念して半ばキレ気味に俺を見据えて言った。
「恭吾さんが好きだからです!」
彼女には悪いがあと百回ぐらい聞きたい。
動画にでも撮っておけばよかったな。
「も、もういいでしょう!早くシャワー浴びて朝食を作らないと……」
葵は俺から顔を逸らし、胸を布団で隠しながら床に落ちた服を拾いあげる。
俺もベッドを出て素早く下着を身につけると、服に袖を通す葵を抱き上げた。
「キャッ!」と彼女は酷く驚いた顔で叫ぶ。
「ちょっと、恭吾さん、なにしてるんですか!」
「葵をバスルームに運ぶんだよ。ふたりで一緒にシャワー浴びた方が時間の節約になるよね」
葵を抱き上げて寝室を出たら、彼女は俺の腕の中で暴れた。
「それベッドで過ごすのと大差ないですよ!それに私は彼氏と一緒にシャワーなんて経験ない」
もう元彼の話題はいい。
過去の男なんて全て忘れさせる。
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