エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「ごめんね、葵ちゃん。ちょっと葵ちゃんの気持ち試しちゃった。この私を見ても、恭ちゃんがいいのね、ふふ」
そう言って彼は私の頭をヨシヨシと撫でる。
そんな晶さんを見てようやくホッとしたのだが、恭吾さんは私を椅子から立たせて、晶さんに目を向けた。
「うちの葵が邪魔したね」
ニコッと笑うと、恭吾さんは私の手を引いて晶さんのオフィスを出る。
「恭吾さん、どうして晶さんのオフィスへ?」
私が叫んだのを聞いてからではすぐに現れなかったはず。
「妙な胸騒ぎがしてね。晶には近づくなって言ったのにな」
そう、恭吾さんは何度も私に警告していた。
なのに自分から晶さんのオフィスに行っちゃった私って本当に馬鹿だ。
「……ごめんなさい。反省してます」
しゅんとなって謝ると、彼は優しい目をして微笑んだ。
「わかってくれたならいい。でも、次やったらお仕置きするよ。こんな風にね」
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