エリート弁護士は独占愛を刻み込む
恭吾さんはこの事務所一の稼ぎ頭。
頭脳明晰で地位もあってお金持ち。
それだけでも充分すごいのだけど、天は彼に二物どころか三物以上のものを与えている。
百八十三センチの長身に俳優顔負けの端整な顔立ちの彼。
ダークブラウンの前髪を上げて額を出しているが、知的というよりは、セクシーな印象。
そんなハイスペ男の秘書をしている私は、朝比奈葵、二十七歳。
髪は今流行りのマッドグレージュのロングで、目はパッチリ二重。
背は百五十八センチ、オシャレには気を使っていて、ファッション雑誌を見て日々メイクや服装を研究している。
群馬の田舎から出て来た都会に憧れるどこにでもいる普通の女の子だ。
先週、以前勤めていた会社を突然解雇され、途方に暮れていたところを恭吾さんに拾われた。
「郵便局に行くのはいいですが、デパ地下はお断りします。二日前に買いに行って酷い目に遭ったんですから。あれ二十個入りですよ。もう食べたんですか?」
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