エリート弁護士は独占愛を刻み込む
パープルのストールを巻いて鏡を見ながらおばあさんの姿を思い出していたら、恭吾さんがじっと私を見た。
「そう言えば、祖母は紫が好きだったな」
「それじゃあ、このストール候補にあげておきます?」
恭吾さんに聞くと、彼はニコッと頷いた。
「ああ。次は二階に行ってみよう」
店員さんに紫のストールの取り置きをお願いし、二階に移動する。
ここは時計や宝飾品売り場。
一階よりもさらにカップル連れが多い。
まずふらっと時計売り場を見てみるが、おばあちゃんに時計をプレゼントするのはあまり聞かない気がするし、すでに特別なものを持っていそうだ。
さらっと見て、次にアクセサリー売り場に目を向ければ、知った顔があって足が止まった。
げげっ!
あれは、元彼ではないの。
髪型がちょっと変わったけど、間違いない。
しかも、ド派手な真っ赤なロングコートを着た彼女を連れている。
彼女は本命。
< 201 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop